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【圃場見学会レポート】

川口さん流「自然農法」を聞く

川口さん
川口さん

 連休最後の日曜日の昼過ぎ、横浜市青葉区の川口さんの「草の畑」に12名の参加者が集まった。まずハウスの中で川口さんから話を聞き、その後圃場を案内していただく。

 川口さんは現在、お一人で田んぼ2カ所4反、畑6カ所4反を耕している。 奥様が化学物質過敏症に罹患され、それをきっかけにご家族が安心して食べることができ、且つ美味しい野菜作りを目指し、農業を始められた。

 「自然農法」とはいっても、不耕起ではなく、限定された資材を使った施肥も行う。所謂福岡正信+川口由一さんらが提唱する自然農法ではない。

田んぼ
稲刈り間近の田んぼ
堆肥
筒状に積み上げた堆肥

 頂いたレジメと見学をもとに、以下にいくつか印象に残った川口さん流「自然農法」についての特徴をご紹介させていただく。

  • 竹炭で田畑の四隅に結界を作る。大地の気の流れを調整するそうだ。
  • 畑は高畝固定し、耕耘は鋤とスコップを使って行える範囲で。
  • 投入資材は米糠、剪定枝、自宅の生ごみ、草のみ。農政事務所には即効性のある油カスを勧められたが、油カスの抽出に化学物質を使っているらしく、奥様が受け付けなかったそう。
  • 種は出来る限り自家採種したものを使用。買ってきた種の苗は虫がつきやすいそうだ。トマトがお好きで、今年は輸入もののトマトの種を取り寄せて植えたが実のつきが悪かったとのこと。種を自家採種し、来年再度トライする。
  • 動力機械は刈払機のみ。ガソリンの臭いは気になるが、刈払機なしでは草の勢いには勝てない。刈払機で刈った草は米糠とサンドイッチ状にして、据え置き、草堆肥として利用している。切り返さなくとも、1年後には畑に撒ける状態になる。今年アイガモンという刈払機に取り付けるパーツを導入したところ、田んぼの草刈りに効果覿面。
  • コンパニオンプランツもいくつか試したが、今現在ナス/バジル、トマト/落花生の組み合わせが定着している。
田んぼの赤トンボ
田んぼの赤トンボ
自家採種のダイコン
自家採種のダイコン

 虫食いが多いため売り物になる葉物がつくれないことが川口さんの目下の課題のひとつ。また労力が限られているため、夏草の勢いに野菜が負けてしまうこともあるという。  田んぼも手植えでは2反が限界。今年は全部で4反ある田んぼのうち2反は蕎麦畑へと転用した。まだ成功はしていないが、来年こそは籾の直撒を成功させ、労力軽減を図りたいとのこと。

 お一人で、機械や資材をほとんど使わずに8反の田畑を耕作されるのは簡単なことではない。それでも妥協せず、知恵と工夫と努力により、試行錯誤されながら、虫と草と共存する農業を目指す川口さん。

 成功のみでなく課題もオープンに参加者と共有いただき、参加者全員が川口さんの「草の畑」と一体となることのできた見学会であった。


(2011.10.6 中沢有紀)