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【圃場見学会レポート】

イチゴ・果菜類・小麦・パンという斬新な組み合わせ

須藤さん
須藤さん

 去る3月28日(日)に有機ネット神奈川の農園見学会が、相模原市相模湖町寸沢嵐(すわらし)で営農されているすどう農園で行われました。当日は3月下旬というにはあまりにも寒い日でしたが、大勢の参加者のもと盛況に開催されました。

 すどう農園を営農する相模原市相模湖町与瀬の須藤さんは、埼玉県小川町の田下さんや山梨で陰陽農法を実践する内藤さんなどに教えをこうたあと、当地で新規就農し現在就農5年目。冬場は無加温ハウスでのイチゴ栽培、夏場はナス・キュウリなどの果菜類栽培、さらに自ら生産した小麦でパンを作り自家製の石窯で焼いて販売することを3本柱とし営農されています。須藤さんといえば石窯作りでも有名な方で、農文協から単行本も出版されています。

桃の木の下でイチゴの試食を頂きました
農園の桃の木の下でイチゴの試食をいただきました

 農園は、東の崖下に道志川が流れ、西に霊山として名のある石老山を仰ぐという抜群のロケーションにあり、津久井地方では貴重な東斜面の畑で、ここに合計約1町歩耕作されています。農園の特徴の一つとして、有機JAS認定を受けていることがあげられますが、これは売り先の都合のため認定を受けているだけで、経費や労力を考えると認定なしで済むならそれにこしたことはないと話されていました。

イチゴハウスで須藤さんより説明を聞く
イチゴハウスで須藤さんより説明を聞く

 イチゴは100uの無加温ハウス3棟で栽培され、1〜6月まで収穫されます。1棟のハウスに畝が4列作ってあり、畝の中にかん水パイプが入っています。水は近くの沢水を汲んできてかん水しています。イチゴの生育適温は20℃ですが、無加温なので冬場はハウスに2重のビニールを張り、さらに夜には畝にトンネルをしてやり保温していますが、それでも−1℃までは下がってしまうそうです。逆に暑い時期はハウス内に日よけを張ったり天窓を開けたりして温度調整をします。

有機栽培のイチゴ
有機栽培のイチゴ

 品種は「ベニホッペ」「トチオトメ」「サチノカ」を栽培されています。肥料は米ぬか・魚粉・骨粉からボカシ肥を作り使用されています。苗も自分でとっていて、連休明けぐらいに親株を苗床に移し、9月にはそこから出た子株・孫株などをハウス内に植えます。夏場はハウスのビニールを取り払い、雨水を入れ塩基集積を防いだり、モロコシや緑肥を植えて連作障害を回避しています。イチゴはやはり害虫対策が重要で、アブラムシ・ダニが大敵ですが、アブラムシは水やりでだいぶ防げますが、ダニが厄介もので天敵のダニをハウスに入れたりもしましたがなかなかうまくいかなかったそうです。交配用に西洋ミツバチを購入して放していますが、近年の価格高騰やスズメバチの攻撃に頭を悩まされるそうです。出荷先は業者や個人で、B品はイチゴパンの原料になります。

小麦畑の様子
小麦畑の様子
麦について熱く語る須藤さん
麦について熱く語る
須藤さん

 小麦は毎年2.5反〜3反栽培され、品種は「農林61号」です。これを石臼で全粒粉に挽いてパンの原料にされています。中力粉ですので堅めのパンになりますが、「山○パン」に毒されていると堅く感じますが、パンとは本来はこういうものだと力説されていました。全く同感です。自分の麦では足りない分は足柄の金子製麺から有機小麦を購入して補っているそうです。栽培法で目に付いた点は、畝間を30〜40p位しかとっていなかったことです。畝間を狭くすることで雑草を抑えてくれるそうです。また、あまり肥料をやらず株を成長させすぎないことで倒伏を防ぎます。

 今回の見学会ではちょうどイチゴの栽培中ということもあって、イチゴ栽培に関する関心や質問が大半を占めましたが、イチゴ・果菜類・小麦・パンという組み合わせが斬新で、有機農業で作物を絞って栽培する理想の組み合わせのように感じました。須藤さん、当日は貴重なお時間をありがとうございました。

(2010.4.6 根っこ農園・増田)