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神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例(仮称)

GM作物交雑防止条例素案に意見を提出しました

 有機農業ネットワーク神奈川は1月22日、神奈川県に「神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例(仮称)」素案について意見を提出しました。県は、速やかに条例案を作成し、2月県議会に提案するということです。この条例案の施行は2010年11月、遅くとも2011年1月を考えているそうです。

 県は素案説明会(1月14日)は、この条例の目的がGM作物(遺伝子組み換え作物)とそのほかの一般の作物の「共存」であるとしています。しかし、届け出されたGM作物栽培計画は非公表であり、形だけの説明会や関係者を限定することで、GM作物が知らないうちに栽培され、GM汚染が拡散する原因となりかねない内容となっています。

 GM作物が栽培された場合、交雑などで一番影響を受けるのが有機農業であると考えています。その点では、GM作物の栽培自体に反対する立場は変わりませんが、公開性やGM汚染防止の観点から以下の意見を提出しました。

【参考】
 「神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例(仮称)」素案 (PDF, 4.7MB)

「神奈川県遺伝子組換え作物交雑防止条例(仮称)」に関する意見

 「神奈川県遺伝子組換え作物交雑防止条例(仮称)」について、以下の通り意見を申し述べます。

1.素案説明会の席上、この条例制定の目的は遺伝子組み換え作物(以下、GM作物)とその他の一般作物との「共存」にあることが述べられました。したがって、条例本文の(目的)にその旨を明記することが望ましいと考えます。
2.素案では、届け出られたGM作物の栽培計画を公表することは明記されず、また、口頭の説明でも公表しないことが明言されています。しかし、この素案の目的が「共存」であれば、速やかに公表することが本来の姿であると考えます。「共存」政策を採用したEUでは、たとえばドイツの場合、監督官庁のホームページでドイツ国内のGM作物の栽培状況(圃場の場所、面積、作物名など)を公開しています。積極的に公開することが「共存」の本義であると考えます。したがって、条例本文に「可能な手段で速やかに公表する」と明記することを求めます。
3.素案では、事前説明会について「説明会を開催しなければならない」とだけ規定しています。これだけでは、形式的に説明会の形が整っていれば問題がないこととなると考えます。「共存」とは、GM作物を栽培する側と関係者の相互理解が前提になると考えます。説明会が形だけのものに終わらない規定を明記するように求めます。
4.素案で規定する説明会の「規則で定める者」は実際に栽培している農業者、地主、市町村、農協の長などとの説明があります。口頭の説明でも、家庭菜園者などが除外されています。この点は大きな欠陥であると言わざるをえません。
 一つには、在来種を主に自家採種への取り組みが一般にも浸透し、家庭菜園者でも取り組む人が増えているという現状があります。また、こうした自家採種の種子の交換会が各地で開催されたり、インターネットを通した相互交換も行われています。
 現在、全国的に「菜の花プロジェクト」という取り組みが各地で行われています。こうした取組みの多くは、「非GMの国産菜種油がほしい」という消費者とタイアップした非農業者のNPOや生協などによって取り組まれています。  素案では、こうした家庭菜園者や菜種などを栽培する非農業者が除外される結果、交雑による「GM交雑種子」の拡散に手を貸すことになる可能性が大きいと言わざるをえません。
 こうした問題に対しても、GM作物栽培計画の積極的な公表とともに、少なくとも説明会の「規則で定める者」として、非農業者であっても家庭菜園者や対象作物を栽培する個人、団体を含める必要があり、そのように規定することを求めます。
 また、この素案の基本的な趣旨である「共存」を念頭に置けば、説明会の対象者を限定することなく、県内でのGM作物栽培に関心のある人とすべきであり、そのように規定することを求めます。
5.「有機農業の推進に関する法律」には、「有機農業」とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として」と明記されているように、GM作物との交雑に関して最も影響を受けるのは有機農業者です。また、農協は任意団体であり、農協組合員でない有機農業者が多く存在しています。したがって、説明会の「規則で定める者」に有機農業者団体を含めるように求めます。
6.GM作物が栽培された場合、周囲の農業者、家庭菜園者、団体などの関係者が当該GM作物による交雑の有無の検査をする際、検査を希望する側の自己負担とならないよう、検査費用を県とGM作物栽培者の責任で負担することを明記するように求めます。
以上

(2010.01.22)