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【勉強会レポート】有機農業と遺伝子組み換え作物

改めて遺伝子組み換え作物を考え、驚く

 9月26日(土)に安田節子さんと入沢牧子さんより、"遺伝子組み換え作物"についてたくさんのお話をいただきました。非常に内容が濃く、皆さん、改めて遺伝子組み換え作物について考える非常に良いきっかけとなったと思います。


● 危機感を持って向き合わなければ
安田節子さん
安田節子さん

 遺伝子組み換え作物について、除草剤耐性や病害虫耐性の存在は知っていましたが、それ以外に貯蔵性増大や成分変化により高機能作物にするといったものも存在すること、今後は環境悪化に合わせて、悪条件下でも簡単に栽培できる作物が出てくるだろうとの安田さんのお話しを聞き、驚きました。

自殺する種子

 さらに、安田さんの著書の題名にもなっている"自殺する種子"なるものも開発されており、生産者に採種させないよう、次世代の種が死んでしまうように遺伝子組み換えしたものもあるとのことです。(ターミネーターテクノロジーと呼ばれている。)

 また、日本でも遺伝子組み換え稲の栽培実験が進められており、私達の住む神奈川県(平塚市の全農営農技術センター)でも実験栽培が行われようとしたが、地域住民の反対で中止となる経過があったと初めて聞き、驚きを隠せず、自分の関心の薄さを改めて思い知らされました。

 勉強会後、職場の隣の事務所に『遺伝子組み換えカイコ(衣服・医療用)』フォーラムについてのポスターが貼ってあるのに気付き、安田さんのお話にあったように、植物以外に生物にも遺伝子組換えがすでに入り込んでいることを実感できました。また、微生物界にも遺伝子組み換えが入り込んでおり、近い将来、遺伝子組換え微生物による食品添加物(アミノ酸など)が食品業界に出回るのではないかとのことで、本当に恐いことだと思います。(参考

 何が問題か…。私は遺伝子組み換え作物の問題は、① 除草剤耐性の残留農薬、② 病害虫耐性の人体への影響、③ 非組み換え作物との交雑のみと考えていました。この3つは当然のことですが、そもそも異なった種の遺伝子を組み入れることにより"人体や環境に対し何が起きるか分からない"という問題があることを、いくつかの動物実験の事例や、国や関連研究機関のずさんな実験・基準設定の事例のお話を聞いて知ることができました。

 "遺伝子組み換えは人が管理できない、何が起きるか推測不能な領域である。消費者が『断固受け入れない』という姿勢を取って主張していかないと、どんどん生活の中に入り込んでくる。"と、お話があったとおり、消費者がもっと危機感を持って遺伝子組み換え作物と向き合っていかなければいけないと感じました。

● 広がる自生と不十分な表示
検出検査

 そんな中、入沢さんの貴重な活動報告を聞き、GM簡易検査キットでの検査実演も見ることができ、非常に良い経験ができたと思います。過酷な自生調査の結果、鹿島港や千葉みなと、横浜港などで遺伝子組み換えナタネが自生していたとのことです。私はこの夏に島根県に行く機会があり、出雲市にある"影山製油所"へ伺って社長さんと少し話をした中で、「島根県では港がないからまだ自生が確認されていないが、福岡県など九州の方では遺伝子組み換えナタネの自生などが確認されており、原料ナタネの確保が非常に不安である。影山製油所として生産者へ向け、非遺伝子組み換えナタネ種子の販売もしている。」とのお話を聞くことができ、こちらも良い経験でした。

 入沢さんのお話の中で、「GM簡易検査キットでは加工食品の原料の検査まではできない。現在、JAS法・食品衛生法などで定められている食品表示については、遺伝子組み換えの表示については制定内容が不十分で、食品の一括表示からは遺伝子組み換え作物が使われているかどうか読み取れない品目もある。また、非遺伝子組み換えコーンとして販売されている種をGM簡易検査キットで検査したところ、陽性反応が出たものがいくつかあった。」ということで、恐らく私達も知らず知らずのうちに遺伝子組み換え作物を口にしていることを思うと、非常にやりきれない思いです。

 前述したとおり、本当に消費者の意識向上が必要であると思います。

 今回の勉強会は皆さんにとっても、非常に有意義なものだったと思います。改めて講師の安田さん、入沢さんにお礼申しあげます。

(2009.10.1 竹内)


○参考
 ・食品安全委員会 新食品等(遺伝子組換え食品等)
 ・厚労省