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遺伝子組み換え作物栽培規制 意見を提出

 8月31日、有機農業ネットワーク神奈川は、神奈川県に遺伝子組み換え作物の栽培規制に関する意見を提出しました。

遺伝子組み換え作物栽培規制についての意見

有機農業ネットワーク神奈川

 有機食品に関する国際規格、欧州規格、米国規格、日本の有機規格いずれも遺伝子組み換えは禁止されています。反自然の不確実な技術と認識されているからです。

 遺伝子組み換え作物については近年、健康、環境、農業への悪影響が各国の実験や研究によって明らかになってきています。消費者の大半は輸入の遺伝子組み換え作物を不十分な表示のもとで知らずに摂取していることに強い不安を抱いています。遺伝子組み換え作物の生産が行われていないことは消費者が国産農産物を選択する動機となっており、国産の優位性を保つためにも遺伝子組み換え作物の生産のない状況を守る必要があります。

 神奈川県が全国に先駆けて、遺伝子組み換え作物を生産しない、販売しない、流通させないという遺伝子組み換えフリー宣言を発することを要望します。

 今年5月、アメリカ環境医学会は、遺伝子組み換えされた食品は健康に悪影響を及ぼすので、即座に出荷を停止することを求めるポジション・ペーパーを発表しました。なぜなら、遺伝子組み換え作物を使って多数の動物実験を行った結果、不妊症、免疫不全、老化促進、肝臓、腎臓、脾臓、胃腸器官におけるさまざま分泌不全等々、その毒性が認められたからです。医師学会は、遺伝子組み換え作物の使用を禁止するよう勧告し、遺伝子組み換え食品を避けるように教育することや長期的な安全試験を実施することなどを求めています。最大の遺伝子組み換え作物生産国、消費国である米国は医師会が憂慮する事態となっているのです。

 県条例では、遺伝子組み換え作物の商業栽培および試験栽培ともに野外栽培を原則禁止とすべきです。

 とくに試験栽培の場合、食品としての安全性確認がされていない段階での栽培ですから、温室試験までで、野外栽培は厳禁とすべきです。

 どうしても遺伝子組み換え作物の栽培をする場合の規制条件を検討するとしたら、県民への責務として、すでに遺伝子組み明け作物の商業栽培に踏み切った諸外国の状況について、まずは神奈川県独自で検証する仕組みの確立が必要です。実際に栽培するかどうかは、その検証後に、再度、県民へのパブリックコメントを取る等、慎重な対応が望まれます。

 こうした慎重な検討を踏まえ、栽培規制にもとづく申請は県知事の認可制とし、認可の条件として県民の同意を必須とすべきです。

 栽培規制作成においては他県の数値を借用することなく、神奈川県独自に実証検証して交雑を完全に防ぎ、一般作物を汚染しない条件を定めることが必要です。

 他県の栽培規制条例に定める交雑防止距離では100%交雑を防止できるかは実際農業を行う者からみてはなはだ疑問です。北海道のイネの試験では600m以上で交雑がおきたとの報告もあり、完全な交雑防止は不可能というのが国際的な認識となっています。

 また、栽培規制には、ドイツのように、遺伝子組み換え作物の生産者が損害賠償と現状回復の責任を負うことを定めた損害賠償の義務付けが必須です。なぜなら、遺伝子組み換え作物の野外栽培によって交雑が起きたり、また遺伝子組み換え収穫物や残滓の残留や混入を完全に防ぐことはできません。認可された遺伝子組み換え作物によって、有機農産物や一般作物が交雑や汚染を受けたり、風評被害など生産者へ経済的被害が生じるからです。

 認可申請の審査会には専門家のみならずステイクホルダー(影響を受ける当事者)の消費者と有機生産者を半数以上入れた構成とするべきです。

(2009.8.31)