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意見募集は終わりました

県の有機農業推進計画に意見を出そう

神奈川県有機農業推進計画は意見募集中

神奈川県有機農業推進計画

 昨年11月より検討が進められてきた「神奈川県有機農業推進計画(仮称)素案」(以下、推進計画)がまとまり、県による意見募集(パブリックコメント)が行われています。この推進計画は、神奈川県の有機農業推進の基礎となるもので、そのために「神奈川県有機農業推進会議」を県環境保全型推進会議とは独立して設置するとしています。この有機農業の位置付けは、多くの有機農業関係者が求めていたものです。神奈川県のように環境保全型農業に含めない形での位置付けは、すでに有機農業推進計画を決定した多くの道県であいまいにされてきたものです。この点、神奈川県の決断は高く評価できます。

 神奈川県では従来、減農薬・減化学肥料を目指した環境保全型農業に注力し、有機農業は「忘れられた存在」で、「(有機農業は)業として成立しない」と明言してはばからない県の担当者もいるような現実がありました。2006年12月に有機農業推進法が公布されて以来、県下の有機農業関係者から県に対して、いろいろな場を通して有機農業への理解を求めて働きかけを行ってきました。「(有機農業者から)いろいろな意見を聞いて認識を新たにした」(県担当者)結果が、この推進計画といえます。

 推進計画は、これまでの県の有機農業無策からの転換を宣言したものに他なりません。2011年度までの3年間に、県下の有機農業の現状把握と共に、有機農業で使える技術の開発に並んで、有機農業者への支援、有機農業を希望する新規就農者への支援を挙げています。ともすれば現場においては、有機農業に対する無理解や拒否感から、多くの人が門前払いを受けて来た現実があります。この推進計画の策定を機に、こうした門前払いや無理解がなくなる期待があります。

イメージ:有機野菜

 さらに特質すべきは、推進計画が有機農産物の表示問題に踏込んだことです。推進計画では「望ましい表示方法について検討を行う」と明記しました。現在、JAS法により高額な認証料を支払い有機JASの認証を受けない限り「有機農産物」といった表示はできません。しかし、有機農業推進法では、有機農業を「無化学農薬」「無化学肥料」「遺伝子組み換え品種の不使用」の3点でのみ定義しています。基本法である有機農業推進法と実施ルールの間に重大な“矛盾”が生じています。有機JASの認証を取得していない県下の多くの有機生産者は、自らの有機農産物に「有機」と表示できない現実があります。有機ネット神奈川では、現実的な表示対策について県の対応を求めてきました。この点でも、この難題に一歩踏込んだ県の決断は評価できます。

 その一方で、消費者の有機農業理解の促進について、情報提供やイベントなどを通して積極的に進めることが明記されました。こうした消費者への働きかけが、神奈川の有機農業発展の基礎となることはいうまでもありません。

 神奈川県の有機農業は、この推進計画の策定を機に、今以上に大きく発展する可能性があります。この可能性を実現するには、県下の有機農業関係者や消費者が声を上げていくことが必要です。その始めの一歩として、まず「神奈川県有機農業推進計画(仮称)素案」に対して意見を出そうではありませんか。そして、新しく設置される「有機農業推進会議」が“絵に描いたモチ”に終わらないよう、生きた運営がなされるように声を挙げることが重要です。

 神奈川県では現在、「神奈川県有機農業推進計画(仮称)素案」への意見を募集しています。締め切りは3月15日です。推進計画の本文は、県政情報センターや各地域県政情報コーナーでご覧いただけます。また、県のホームページからダウンロードもできます。推進計画への意見は、次の県のホームページからも提出できます。

 ・神奈川県農業振興課

(2009.3.9)


  【参考】農水省:都道府県有機農業推進計画(リンク)

(2009.3.9)