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【圃場見学会レポート】

春の畑で緑肥を学ぶ

 3月1日、はだの有機栽培クラブ(秦野市、代表・岩嶋徳さん)の圃場で有機農業ネットワーク神奈川の2009年最初の圃場見学会を開催しました。今回はカネコ種苗緑飼部の久保田さんにお招きし、緑肥作物について、ワンポイントアドバイスをいただきました。

はだの有機栽培クラブ (岩嶋さん)

岩嶋徳さん
岩嶋徳さん

 渋沢駅からバスで十数分、秦野戸川公園のある大倉のバスターミナルに集合し畑に出発しました。畑は、岩嶋さん個人と有機栽培クラブのグループで耕作するものがあり、まず個人で耕す畑を見せていただきました。ターミナルから車で1分、丹沢山系の南の裾野に広がるなだらかな南向きの丘陵に一団の畑が広がっており、岩嶋さんの畑は3箇所に点在しています。秦野の市街地と丹沢の山々が見晴らせる、気持ちの良い空間です。

畑の後ろに広がる丹沢の山並
畑の後ろに広がる丹沢の山並
南に秦野市街を一望する
南に秦野市街を一望する

 風除けのために、畑を取り囲むように植えられたソルゴーと、シカ除けのネットをくぐって畑に入ると、まず目につくのはルッコラ。花をつけながら、やわらかそうな葉もすくすく茂っておいしそうです。土の状態が良いのでしょう。リーフレタス、マスタード類とサラダ用に並べて植えられていました。

 この畑は、作り始めて3年経つそうですが、固かった土が、だいぶふかふかしてきたとのこと。堆肥として、酪農家から購入した牛糞堆肥に米ぬかを加え、再度発酵させたものと、植木の剪定枝チップを積み込んだものを畑に入れているそうです。また、作物の植え床には、溝を切り、蟹ガラ、魚かす、堆肥等を入れてから作付けするそうです。

玉が大きくなってきたトンネル栽培の極早生タマネギ
玉が大きくなってきた
トンネル栽培の極早生タマネギ

 今栽培で工夫しているのはタマネギ。この時期、新鮮なタマネギが早く食べられるようにと、極早生タマネギのトンネル栽培、小タマネギ植え付け等、何通りかの方法を試みていました。

 今回の見学会、同行していただいたカネコ種苗緑飼部の久保田さんから、岩嶋さんも取り入れている、緑肥作物について、ワンポイントアドバイスをいただき、参考になりました。

ソルゴーについてアドバイスを受ける
ソルゴーについて
アドバイスを受ける参加者
  • 畑の、ところどころに敷いてあるソルゴーを見て。⇒「5,6月に種を蒔き、お盆前に高めに刈り取ると、刈ったものは敷き草として、残った株からは、新たに葉が伸びてまた利用できます。」
  • 風除けのソルゴーを見て⇒「脇に秋に麦を蒔くと、枯れたソルゴーと入れ替わって風除けになります。春にまた、昨年のソルゴーの後にソルゴーを蒔きます。」
  • エンバクについて説明する久保田さん
    エンバクについて
    説明する久保田さん
  • エンドウの隣のエンバクを見て⇒「利用目的で、種の蒔き方を変えると良いですよ」

 等々、アドバイザーがいると、見学会も一味変わります。

 ビニールトンネルの中では、大根、ニンジンが芽を出し、畑は、にぎやかな春本番を迎えるところでした。

 次に向かったのは有機栽培クラブで耕す畑。住宅の間の急坂を下ると、すり鉢上の段々畑が現れます。小麦畑の他は、既にきれいに耕うんされ、一部にネギが植えつけられていました。一番下の段に新しいビニールハウスがあり、2坪ほどの踏み込み温床が、中に作られています。また、切り分けられた種ジャガイモが、中で干されていて、植え付けを待っていました。

植え付けを待つジャガイモ
植え付けを待つジャガイモ
踏込温床
踏込温床

 有機栽培クラブでは、小麦、大豆、そば、落花生を基幹作物として輪作しており、間作としてたまねぎ、じゃがいも、大根等を栽培しているとのこと。大豆は味噌加工して、そばは製粉して農協の直売所で販売。落花生は地元の豆屋に売り、活動資金としているそうです。

有機栽培クラブの畑
有機栽培クラブの畑

 数年前までは、耕作放棄地だったそうですが、いまでは、想像もできません。段々畑の間の土手には、蒔かれたのか、菜の花が群生していて印象的でした。

緑肥作物について学ぶ
緑肥作物について学ぶ

 見学後は、公民館で懇談会が行われました。群馬から来ていただいたカネコ種苗緑飼部の久保田さんからは、緑肥作物の利用について、実例をまじえながらスライドで説明を受けました。専門家から、まとまった話を聞ける貴重な機会となり、自分の畑に取り入れていくのが面白そうです。

 時間の関係で、有機栽培クラブの活動のことについてはあまりお聞きできなかったのですが、荒廃農地の解消から始まり、会員の有機農業学習、実践の場として活動する中で、独立して、就農する方も出てくるなど、地域の中で着実に歩まれているようです。

 なぜ農業を始めたのですかの質問に、「好きだから、に尽きるね」と、岩嶋さん。胸に落ちました。

 その後ご馳走になった、味噌汁。味噌は有機栽培クラブ産の小糸在来大豆と、伊勢原・今井さんのお米の米麹で仕込んだもの。ご馳走様でした。秦野の落花生もおいしかった。

(2009.3.9 宮本)